韓国プサン教育ツアーレポートVol.4

【釜山教育ツアーレポート】今日は藤原洋介が担当します。

2026年1月13日|釜山

釜山の朝は気温2度。キリッとした冷たさですが、風はなく穏やかな晴天に恵まれました。本日は「未来教育」をテーマに、釜山の教育現場を3箇所巡った充実のレポートをお届けします。

1. 五感で学ぶ未来の学び舎「子供創意教育館」

午前中に訪れたのは、2020年に全面リニューアルされた釜山広域市教育庁「子供創意教育館」。 ここはまさに、子供たちの「創造力」を爆発させるための体験型ワンダーランドでした。宇宙、科学、自然、スポーツなど、テーマごとに分かれた館内では、プログラミングや光の三原色といった難しい概念も、遊びながら直感的に学べる工夫が凝らされています。 これほど大規模で学びが「無償」で提供されている点に、韓国の教育にかける本気度を感じました。

2. 年間3万人が訪れる「栄養教育体験センター」

午後は、食育の拠点である「栄養教育体験センター」へ。 驚いたのはその発信力です。小学生から栄養士までを対象とした研修施設であり、コロナ禍以降はオンラインで全国の学校と結んだ授業も展開しています。 給食の歴史を学べるコーナーもあり、韓国がいかに「食」を教育の重要な柱として捉えているかが伺えます。年間30,000人の来訪者という数字もお話されていました。

3. 名門・恵化(ヘファ)小学校で見た「ICTと伝統」の融合

最後に訪問したのは、1965年創立の名門、恵化小学校。 茶道や漢字、国楽(韓国伝統音楽)といった伝統教育を大切にする一方で、そのデジタル活用は驚くほど合理的でした。

現場の先生と語る「ICT活用の本質」          

普通教室でのディスカッションで特に印象的だったのが、【ハイクラス】【ナイス(NEIS)】の実践的な使い分けです。

  • ハイクラス(日常の関係性) 「先生の電話番号を明かさず、勤務時間外の連絡を制限する」という機能が、先生のプライバシー尊重に直結していました。写真共有や欠席届の電子化など、教科書会社が無償提供するこのアプリが、学校と家庭の心理的な距離を縮めているとのこと。
  • ナイス(国家の背骨) 「生徒の成長を一生残す」という言葉通り、成績や活動記録が大学入試まで国によって守られ、引き継がれる仕組みを無償提供されていることに圧倒されました。また、事務作業をシステム内で完結させることで、「先生が机に向かう時間を減らし、子供と向き合う時間を増やす」という明確な目的意識に、日本の教育現場へのヒントが隠されていると感じました。

校内の「English Zone」での徹底した英語教育や、伝統楽器の力強い音色。そして無駄を削ぎ落とすICT活用。釜山の教育は、伝統を守ることと未来へ突き進むことが、見事に両立していました。

視察最終日の夜、釜山随一の展望を誇る「荒嶺山(ファンリョンサン)のろし台」を訪れました。

目の前に立ちはだかるのは長く急な階段。正直、チャミスルで酔いが回っており何度も「帰りたい」という思いが頭をよぎりましたが(笑)、その苦労を補って余りある景色が、頂上には待っていました。